ファミサポの相互援助活動は、お預かりや送迎を行っています。しかし、それは、依頼の内容、状況、場所、関わる人などによって、さまざまな対応が求められます。
そのため、援助活動に携わるサポート会員さんには、さまざまなことに対応できるいろんな引き出しを持ってもらおうと、11月19日、サポート会員スキルアップ講習・交流会を行いました。
最初は、糸島市子育て支援センター療育指導員の今村チフミ先生の「子育てが楽しくなるお手伝い~おなじ目線で寄り添って~」と題した講習。
社会的にも注目されている「発達障害」「特性」に関して、今村先生の日頃の活動や体験を話してもらいました。
「見えにくい障がい」と言われる「発達障害」。理解を進めるために、まずは隣の人とハグ! 初めての人とハグしたら、ホッとする人、ゾワッとする人などさまざま。この感覚の違いに特性があると今村先生。大きな音が苦手だったり、視線を合わせるのが苦手、トイレで水を流すのを怖がるなどの行動は、黒目を怖いと感じたり、便器の穴に恐怖を感じるなどの理由から。「感覚が鈍くてケガをしやすかったり、敏感さからいろんなことに抵抗があることを知ってもらえると助かります」と。
また、今村先生が子どもと関わる時に心がけていることは、保護者とよく話すこと。
極端な偏食、水分を欲しがらない、動き回る、片付けが苦手…など子どもの状況を詳しく聞いておけば、食事の際に楽しい雰囲気づくりをする、お気に入りのキャラクターを準備しておく、気が散りにくいような遊びのスペースを作るなどの対策ができる。
「どうしてそんなことするの?」のような、感情をぶつけるだけで、子どもにとっては意味のない”ピーマンことば“は避け、何をどうしてほしいか明確に伝える。
気持ちの切り替えが苦手な子には、予告で5分前くらいに心の準備をさせる、アラーム機能を活用する―などの具体的な紹介もありました。
育てにくさを感じながらも孤軍奮闘するお母さん、自分を責めたり、特性の強さから戸惑うお母さん、追い詰められたお母さんたちには、肩の力を抜いてホッとできる時間、場所、人が必要。ファミサポの援助活動はそのような場としても求められているのではと。
そして、この話は、「発達障害だから」「特性があるから」と括らず、すべての子どもに関わる時に活かしてほしいと話してくれました。
いとしまファミサポでも、相互援助活動にあたって、「発達障害」などと特に線引
をしていません。それは、糸島市で、どんな子でも同じように過ごしてほしいから。
サポート会員さんには、障がいのあるなしに関わらず、じっくり顔合わせで子ども
と向き合って、お手伝いできるか、できないか判断して頂けたらと思っています。
今村先生の講習の後は、「ヒヤリハット」をテーマにグループトーク。
子どもを預かった時や、自分の子育て中、その他の場面で「ヒヤリ」とした体験、「ハッと」気づかされたことをグループごとに話しました。
「台を使って高窓に上がっていた」「ストーブをつけていた部屋で滑ってしまい、ストーブに滑り込みそうになった」「こたつの布団につまずき、鼻を骨折した」「2歳児がいつの間にかチャイルドシートを
外していて、到着した途端、車から出ようとした。チャイルドロックの必要性を実感した」などいろいろなケースが出てきました。
また、グループごとにお預かりの体験談や相談などでも大盛り上がり!
サポート会員さん同士の絆が強く結ばれたようでした。
今回出していただいた「ヒヤリハット」は事例としてまとめ、サポート会員の皆様に紹介していく予定です。
また、今回受講できなかったサポート会員さんで、今村先生の資料が欲しい方はご連絡下さい。
サポート会員スキルアップ講習会は、今後も行っていきます。知りたいこと、やってほしいことなどありましたら、ぜひリクエスト下さい。次回のご参加もお待ちしています!